中日の守護神、R.マルティネス

 これまでの選手では、ロッテソフトバンクで活躍し、17年に本塁打王と打点王の2冠を獲得したアルフレド・デスパイネや、ソフトバンクで19年に日本シリーズMVPを受賞したジュリスベル・グラシアルらがいる。

「ラテン系の選手とは気質が違う」

「キューバの国民性として勤勉で真面目、目上の選手の言うことをきちんと聞く文化があります。日本と似ているので、生活していて心地よく感じるのかもしれません。ビシエドは家族で名古屋の街を気に入って、シーズンオフのファンフェスタ、球団納会にも参加していました。外国人選手では異例ですが、それだけ中日を愛しているということでしょう。モイネロも21歳で来日したときは少しやんちゃでしたが、キューバ出身の先輩でチームメートのデスパイネに注意されるようになったことで姿勢を正すようになりました。キューバ出身選手たちは絆が深いのも特徴です」(スポーツ紙デスク)

 かつてソフトバンクでプレーした選手も同調する。

「デスパイネ、グラシアルと一緒にプレーしましたが、ドミニカ共和国やベネズエラのラテン系の選手とは気質が違いましたね。デスパイネは陽気なんですけど、空気をきっちり読む。輪を乱す行為を嫌がりました。グラシアルはとにかく真面目。活躍してもすごく謙虚で練習熱心でした。彼らは食事の席で『日本人は優しいし教育水準が高い。どの場所に行っても治安がいいし最高の国だよ』とよく話していました」

革命でプロ契約が禁止された

 キューバの選手と、米国や他の中南米諸国出身の選手とで事情が異なるのは、キューバが1959年にキューバ革命によって社会主義国家となっていることだ。

 革命によってキューバではプロスポーツが禁止され、プロ野球リーグも解散。国外でもプロ契約をすることができなくなった。それでもキューバは野球の強化に力を入れ、アマチュアの代表チームはバルセロナ、アトランタの五輪で2大会連続金メダルを獲得するなど、国際大会で圧倒的な強さを示した。

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選手個人に年俸は入らない