候補者が乱立する自民党総裁選。次の首相にだれがなるのか行方が注目される中、石破茂・元幹事長が、単独インタビューに応じた。岸田文雄首相の「聞く力」だけでなく、石破氏が自身の強みとして強調したのは「語る力」。裏金問題への対応や、「防災省」の新設構想など、首相になったらやるべきこと、やりたいことを力強く語った。
【写真】立候補「決意」の理由を語る石破茂氏【単独インタビュー】
――5回目となる自民党総裁選です。改めて、立候補を決意した理由から教えてください。
主に三つあります。
まずは、「安全保障」です。ウクライナ戦争が始まり、その後、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの軍事侵攻が始まりました。私のように、安全保障を専門にしている人間でも「まさか」ということが起きた。改めて効果的な抑止力を、国民の理解を得て、再構築していかねばならないと思ったこと。
二つ目は「地方創生」です。私が地方創生大臣を拝命してから10年、地方の人口減少は止まらず、地方は疲弊しています。でも日本のポテンシャルは地方にこそあるのだし、経済対策としての地方創生を訴えたいと思ったことです。
――三つめは何でしょう?
3番目は、これが一番かもしれないけれど「防災省の創設」です。
地震の際、台湾やイタリアでは、発生から数時間で個室トイレ、キッチンカー、家族単位のテントで仕切られたベッドなどを完備した避難所が開設されます。けれど元日に起きた能登半島地震での避難所をみても基本的には我が国の避難所は関東大震災の時とほとんど変わっていません。
災害が起きること自体を防ぐことはできなくても、災害関連死を防ぐことはできます。しかしそのためには防災専門の官庁が必要で、それは、総理大臣でなければできません。