――安倍晋三元首相が進めてきたアベノミクスと、それを継承した岸田文雄政権の経済対策を踏まえ、石破さんはどのような経済政策を行っていきますか。
私は安倍政権で、幹事長や地方創生担当大臣として政権を支えました。デフレの脱却や雇用状況の好転など、効果があった半面で、三本目の矢として期待されていた構造改革部分が道半ばだったなどの反省はあります。
人口急減社会にあっても、1人当たりGDPを伸ばしている韓国や台湾にできて、日本にできていないことは何か、ということを考えながら、多様な社会ニーズを踏まえた高付加価値化、一次産業を中心とした地方経済の潜在力のデジタル化などによる最大化など、地方を中心とした新しい成長戦略を進めていきたいと思います。
――女性の地方離れが深刻です。
若い女性が住みたい、暮らしたいと思う地方ってなんなんだということに焦点を徹底的に当てて考えることが重要です。
そのためには、農業でも漁業でも林業でもスマート化していくことだと思います。例えば、人工衛星やロボットを使ったスマート農業。そして、農作業が終わればおしゃれして街に出ていける、自分で時間を自由に設計できるっていうことも大切です。
――エネルギー政策で「原発」についてはどう考えていますか。
AI社会が拡大すると、消費電力が膨大になると言われています。また、化石燃料の安定供給にも不安があります。それに対応するためには、安全性が確認された原発は再稼働する必要があります。停止していても稼働していても、リスクに大差はない以上、きちんとした管理体制のもとで利活用し、その間で、再生可能エネや新技術など、どれだけ電源を多様化し採算に乗せられるかを考える。管理体制には有事対応も含みます。