来季はFAで移籍の可能性
エースとして結果を出さなければいけないという心理が、投球を慎重にさせる部分があるのかもしれない。阪神は村上、大竹耕太郎、才木浩人、西勇輝、ビーズリーと先発のコマがそろっている。左腕エースとして期待される伊藤将司は本調子ではないが、及川雅貴、門別啓人が控えて層が厚い。故障でリハビリから復活を目指す高橋遥人も7月20日に育成から支配下に復帰した。先発での序列を考えると青柳の立ち位置は微妙になっている。
注目されるのはFAの動向だ。今季は厳しい状況だが、1軍でプレーすれば来季中に国内FA権を取得する可能性が高い。
「今後のパフォーマンス次第ですが、先発陣がコマ不足のヤクルトや、バンテリンドームと相性が良いので中日は獲得に動く可能性が考えられます。復活を模索するために、環境を変えるのも選択肢の一つです」(前出のスポーツ紙デスク)
FA権取得が間近の選手だが、トレードという選択肢もある。前述したように、阪神の先発陣は充実している。一方で、前半戦に貯金を積み重ねられなかった要因は深刻な貧打だった。大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太とクリーンアップを担う選手たちが打撃不振で前半戦にファーム調整を経験。ノイジー、ミエセスも戦力として稼働していない。前川右京、野口恭佑とイキのいい若手が台頭してきているが、打線の軸になる強打者を補強できれば、得点力がグッと上がる。
「青柳は功労者であることは間違いないが、他球団に移籍した方がチャンスが増えるならファーム暮らしにしておくのはもったいない。かつてはトレードにマイナスのイメージがありましたが、今は違います。飼い殺しになるなら、他球団で輝いた方がいいと判断する球団が増えています。選手も必要とされる球団に移籍することは、野球人生の貴重なプラスアルファになります。たとえばロッテはトレード移籍した選手が活躍するケースが多く、先発陣が盤石とは言えないチーム事情があります。吉井理人監督は投手の能力を引き出す力に長けているので、青柳の獲得に動いても不思議ではないと思います」(プロ野球を取材するフリーライター)