――英語は大丈夫でしたか。

 英語はどうにかなりました。米国へ行く前に、日本で英会話学校に3日間通ったんですけどね。飛行機でキャビンアテンダントに「ビーフorフィッシュ?」って聞かれて「イエス!」を連発していました(笑)。こんな語学力で米国に行っても、相手の話す英語が分かってくる。何とかなりますよ。

――フィリーズのマイナーでは3年プレーしました。

 実戦がいかに大事かを痛感しましたね。大学の公式戦は多くて年間20試合。僕は補欠なのでほとんど出られない。でも米国では年間100試合以上あり、300~400打席立てる。練習より試合の1打席ですよ。打席に立ち続ければ技術が身についてくる。ダメだったら振り落とされる厳しい世界だけど、1年間プレーした時に日本のプロ野球なら通用する手ごたえはありました。法政大からプロに入団した選手と比べて自分も十分にできるなと。

フィリーズ1Aでの練習の様子(本人提供)

一塁になったら涌井の牽制が速くて「怖くて無理」

――日本に戻り、プロ野球の西武に入団しました。

 米国で3年間プレーして、ヤクルトと西武の入団テストを受けました。西武は捕手が足りなかったみたいで、「捕手ができるなら絶対取る」と言われて。入団したけど、春季キャンプの3日目ですかね。松坂(大輔)の球が捕れなくて。高速スライダーが消えるんですよ。「キャー!」って。「もうそのボール投げないでくれ」って言いました(笑)。

西武時代の同僚だった松坂大輔さん(2003年)

――その後どうなったのですか。

「捕手は無理です」って当時の伊東勤監督に言ったら、「捕手で獲得したのに捕手詐欺か」って(笑)。その後は三塁を守ったんですけど外国人打者の打球が怖くて、一塁になったら涌井(秀章)の牽制が速くて「怖くて無理です」って伝えて。外野に落ち着きました(笑)。

西武時代に同僚だった現・中日の涌井秀章さん(2005年)
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