「ドームでプレーする選手が圧倒的に有利」
かつて、屋外球場とドーム球場を本拠地にする2球団でプレーした投手は、「ドーム球場でプレーする選手のほうが体力面で圧倒的に有利です」と強調する。
「屋外球場ではナイターでもサウナの中にいるような感覚です。マウンドで30分以上投げ続けた時は呼吸がしづらくなり、立ちくらみがして、正直、命の危険を感じました。ドーム球場で投げると体の負担が全然違います。熱中症の不安がよぎりながらプレーするのは体力面だけでなく、精神的にも大きなストレスが掛かります。夜になると暑さが和らぐという時代じゃなくなっていますし、今後さらに気温が上がると言われている中で、本拠地のドーム化は選手だけでなく、観客を守るためにも必要だと思います。あとこの時期のファームのデーゲームは、さらに熱中症のリスクが高いです。若い選手は自分から体に異変が生じたことを言いづらい。実際に猛暑の試合中に体調不良で倒れた選手が過去にいました」
セ・リーグは首位の巨人から4位・阪神まで3.5ゲーム差の大混戦だ(7月23日時点)。これから勝負の夏場となるが、連戦が続く夏場はただでさえ体力の消耗が激しい。さらに屋外球場での試合が多く続けば、過酷な日々となるだろう。
88%が屋外と最も過酷なDeNA
その夏場で最も厳しい日程になっているのが現在3位のDeNAだ。オールスター後から7、8月にある計32試合で、ドーム球場での試合は中日と対戦するバンテリンドームの4試合のみ。28試合(88%)が屋外球場で開催される。残暑の9月までで見ても52試合中、ドーム球場は9試合のみで43試合(83%)が屋外。熱狂的なファンの声援をホームで受けられる横浜スタジアムでの試合は追い風になるが、屋外球場で連戦が続くと主力選手に休養が必要になってくるだろう。