3月の代表選考会で女子100mバタフライでパリ五輪の代表に内定した池江璃花子

ノミになってやろうと

——池江はいま自分自身を「ノミ」にたとえて表現する。

 ノミってふたをした瓶に入れられるとふたの下までしかジャンプできないけど、ふたを外されるとかなり高く跳べるという話を聞き、じゃあノミになってやろうと。今はふたを感じずに気持ちよくジャンプしている実感がありますね。ただ、限界点にはまだまだ到達していないので、これからも跳び続けていきます。

——パリ五輪の開会式の翌日、7月27日の最初の種目が女子100mバタフライ予選だ。

 私の泳ぎで周りに弾みをつけたいという思いももちろんありますが、それ以前に、これまでの練習をすべてプールで出し切ることの方が私には大事です。

 パリ五輪の先も競技人生は続きます。私の一番好きな種目は実は自由形の200mです。パリ五輪後は、得意なバタフライをさらに突き詰めていきたいし、自由形でも世界大会で結果を残せるよう泳ぎに磨きをかけていきます。

(構成/スポーツジャーナリスト・吉井妙子)

AERA 2024年7月22日号