メンバーもほぼ変わらず、まだチームに“伸びしろ”もあることから、今季も引き続き盤石の野球を見せてくれる予感もあったが……。
「今季勝ちきれない要因は木浪の怪我が大きい。岡田監督は守備を大事にするが、センターラインが欠けてしまったことで戦い方のベースが崩れてしまった」(阪神関係者)
やはり野球で重要となるのはセンターライン。就任以降、捕手として守備力が高い坂本誠志郎を多く起用するようになったのも、そういった理由からだろう。木浪、中野の二遊間に中堅・近本を加えたセンターラインは球界屈指とも言える。しかし木浪は6月15日のソフトバンク戦(みずほPayPay)で死球を受け左の肩甲骨を骨折して離脱となった。
また、シーズン当初から「阪神の悪いクセが出ていた」と口にする人も多い。
「シーズンへの入り方が甘い部分もあった。選手、関係者、ファンの誰もが『自分たちは強い』という思いを持ってしまったようにも感じた。オフ期間の過ごし方が良くなかった選手もいたのではないか」(関西地区テレビ局スポーツ担当)
例えば、主砲・大山はキャンプイン時に明らかに体が大きくなっていた。「シーズンインまでには絞れるのでは……」と思われたが体のキレは戻らず、6月5日から二軍再調整を行った。ひたすら体をイジメ抜いて一軍へ戻った後の打撃が変わったのは明白だった。
「岡田監督がコーチ陣などに口厳しくなるのは当然。他球団は打倒・阪神で徹底的に研究してくる中、その上を行かないと勝てない。気持ちを引き締めて向上心を忘れるなということ」(阪神関係者)
「岡田監督の厳しい発言がパワハラに相当する」と言う意見もある。阪神のOBでもある田尾安志氏は自身のYouTubeチャンネルで、試合中の三塁コーチの判断に岡田監督が名指しで批判したことに関し、「言ってはいけない言葉」とコメント。また野球解説者の高木豊氏も自身のチャンネルで、「(三塁コーチの判断ミスを責めるのは)藤本敦士コーチがイップスになる」と語った。
しかし岡田監督の本心はチーム内にはしっかり伝わっているという。
「西武を休養となった松井稼頭央監督はチームを指揮するうえで“甘さ”も指摘されていた。しかしそれが低迷にも繋がったのかもしれない。時代は変わっているが勝負の世界は甘くては勝てない。岡田監督は何を言われようが信念を曲げないはず」(阪神関係者)