日本一になった昨年のような強さが感じられない阪神(7月17日終了時点で首位・巨人から2.5ゲーム差の4位)。その影響もあり岡田彰布監督に対して“厳しい声”も多くなってきている。連覇が期待されるチームが調子に乗れないことでファンや関係者の間でフラストレーションが溜まっているようだが、これは阪神球団の歴史上、何度も繰り返されてきた光景でもある。
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「周囲の要求や理想が高くなり過ぎているのもあるから、岡田も気の毒やで」と阪神OBは苦笑いを浮かべながら指揮官を思いやる。
昨年、阪神は2005年以来となる18年ぶり6度目のリーグ優勝(1リーグ時代を含めると10度目)を成し遂げた。日本シリーズでもオリックスに勝ち1985年以来38年ぶりとなる日本一に輝いた。
「期待が高くなって黄金時代到来とか簡単に言ってしまう。アレンパ(=連覇)って、そんな簡単なもんやない。まずはそこを頭に入れておかんと」(阪神OB)
昨年は投打に「強さ」を感じさせる戦いで2位の広島に11.5差をつける圧勝、日本一まで上り詰めた。岡田監督が掲げた「アレ(=優勝)」を成し遂げたことで、今季は「アレンパ(=2連覇)」への期待が高い。
「(昨シーズの日本一は)特別な選手に依存した日本一ではなかった。投打のバランスが取れた素晴らしいチームで、大崩れするようには見えなかった。若手選手も順調に成長し始めていたので、今季も優勝候補筆頭に挙がるのは当然と言えば当然でした」(在京球団編成担当)
昨シーズンは“全盛期”に入ってきた年齢の生え抜きたちが躍動した。
攻撃面では近本光司、中野拓夢の1、2番コンビが塁に出て大山悠輔、佐藤輝明の中軸が返す形ができた。シーズン途中からはドラフト1位の森下翔太もスタメン定着、遊撃手の木浪聖也も下位で勝負強さを発揮するなど「得点を奪える」打線ができた。
投手陣はエース・青柳晃洋の調子が上がらない中、シーズンMVPとなった右腕・村上頌樹と現役ドラフトでソフトバンクから加入した左腕・大竹耕太郎が大活躍、同じく左の伊藤将司らも素晴らしい投球を見せた。ブルペン陣も抑えの岩崎優を中心に安定した投球を継続して勝利を積み重ねた。