UNIVASでは運動部の管理者・指導者を対象とした研修会も開催している(写真:UNIVAS提供)

将来の可能性を拡張

「運動部の学生は競技スポーツで熱い経験をしてきたのですが、教室ではその力が発揮できていないように感じます。そこでスポーツの経験にスポットを当てながら考える力を身につける教材を開発しています」とKEIアドバンス高等教育事業企画開発部部長の酒井智行さんは話す。

 またKEIアドバンスでは大学でもスポーツを続けたいと考えている高校生にスポーツでの進路選択をサポートする進学情報サイトATHLEARN HIGH SCHOOL(アスラーンハイスクール)も運営している。河合塾などの調査によると、スポーツを真剣に長く続けてきた高校生はコンピテンシー(行動力)が一般の生徒より優れているという調査がある。それは将来にわたって強みになると強調する。

 では運動部の学生のキャリア形成がいい方向に進むのか。

「いわゆるスポーツ推薦で大学に入ってもプロや社会人チームなどに進むのはわずかな人数です。かつては体育教員になる学生が多かったのですが、今はスポーツに関連する企業や一般企業に就職する学生も多くなっています」と池田さんは解説する。

「運動部の学生がストイックに部活動に取り組むことは素晴らしい貴重な体験だと思います。部活動は社会人の基礎となる資質・能力を学ぶ重要な機会にもなります。そういう意味でも大学のスポーツ経験は自分のポテンシャルを上げることにつながり、スポーツで大学に入学することは将来の可能性を拡張していくことにもなります」(池田さん)

社会人基礎力が醸成

「スポーツで優秀な成績を残していない一般の生徒でも体育系の大学や学部へ入学できるチャンスが広がっています」

 そう話すのは体育・スポーツ系大学受験の専門予備校・体育進学センター学校連携企画室室長の浦野博之さんだ。スポーツに関連する学部や学科を備える大学が増えたことと、入試に関していわゆる「年内入試」の枠が増えたことがある。さらに受験科目として実技を課さない大学がほとんどだからだ。

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