「寺を訪れてくれる外国人観光客はとても増えました。朝から絶えず人が来ます。コロナ前と比べ物にならないくらいにぎわっています。ただ、人が来れば管理の費用はかさみます。特に、物価高によって材料の値段が高騰したことで修繕費などが重くのしかかっているんです。もちろん入場料やお守りなどのお土産品でお金はいただいておりますが、追いついていないのが現状です」(担当者)
今回話に出ている値上げについては、「外国人だから」という理由ではないという。
「外国人だけ値上げする、と考えているわけではありません。しかし、来てくれる人が増えるほど管理は大変になり、費用もかさみます。世界遺産の姫路城さんが真剣に検討しているように、我々も改めて検討していかなければ、と思いました」(同)
日光東照宮(栃木県)や世界遺産の平泉(岩手県)などは、今年4月から入場料の一部について、200円~300円程度の値上げを実施した。理由は「人件費や修繕費用の高騰」としている。
また、大阪府では、府内に宿泊する訪日外国人に一定額の負担を求める「徴収金」制度の創設を検討している。大阪万博の始まる2025年4月からのスタートを目指す。吉村洋文知事は、オーバーツーリズム対策や街の美化などのためとしており、姫路城の入城料の値上げについても「賛成」との考えを述べている。
外国人観光客も驚いた日本の価格
円安を背景にしたインバウンド増で、今年3月と4月の訪日外国人数は、2カ月連続で過去最高の300万人を超えた(JNTO)。日本を訪れる外国人観光客は、二重価格をどう見ているのか。
浅草を観光で訪れていたドイツ人男性(26)は、こう話す。