
5月18日に早くも自力優勝が消滅するなど歴史的な低迷に苦しんでいる今シーズンの西武。5月26日には松井稼頭央監督の休養が発表され、渡辺久信ゼネラル・マネージャー(GM)が監督代行を兼任することとなったが、その後も浮上の兆しは見られず、既にクライマックスシリーズ進出も難しい状況となっている。
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メジャーリーグのようにフリーエージェント(FA)やトレードが多くないNPBではチーム作りの根幹となるのはドラフトでの補強だが、果たして西武の近年のドラフト戦略にはどんな問題があったのだろうか。
まず挙げられるのが投手重視の指名ではないだろうか。過去10年の支配下選手たちの指名を振り返ってみると、上位指名と言われる1位と2位で獲得した野手はわずかに4人であり(2015年2位の川越誠司は投手として入団)、これは12球団で最少の数字である。ちなみに最多はロッテの10人で、倍以上の野手を上位指名で獲得しているのだ。その上位指名で獲得した4人の今シーズンの成績を並べてみると、以下のようになっている(6月26日終了時点)。
■西川愛也(2017年2位):37合14安打0本塁打6打点1盗塁 打率.206
■渡部健人(2020年1位):7試合1安打0本塁打0打点0盗塁 打率.042
■蛭間拓哉(2022年1位):23試合23安打0本塁打11打点2盗塁 打率.264
■古川雄大(2022年2位):一軍出場なし
2年目の蛭間が何とかレギュラー獲得の兆しが見られるものの、主力と呼べる選手は1人もいない状況となっている。そもそも蛭間と古川は2年目の選手であり、中心選手として期待するのも無理がある話でもある。最後に上位指名で主力となったのは2013年1位の森友哉(現オリックス)と同年2位の山川穂高(現ソフトバンク)だが、過去にも多く主力選手がFAで移籍していることを考えれば想定できたことであり、その備えをしてこなかったツケが回ってきたと言えそうだ。