けがの心配はあるが、全力さが大きな魅力なのも佐々木朗希

 先発ローテーションで1年間通じて投げ抜く価値は、本人が一番分かっているだろう。今年は直球の球速を抑えて長いイニングを投げる投球スタイルにシフトしていた。メリハリをつけることは重要だが、制球が甘く入れば痛打を浴びるリスクが高まる。5月10日の日本ハム戦(エスコン)で6回途中8安打5失点と打ち込まれて2敗目を喫した。他球団のスコアラーはその後の投球で変化を感じたという。

「力を入れて投げる場面が増えましたよね。でも佐々木朗らしくていいと思いますよ。常に全力で投げれば消耗してしまうので強弱をつけることは大事ですが、力をセーブすることばかり考えると、出力が落ちる危険性がある」

 と指摘した上で続けた。

「力を入れて投げ続けると当然体に負荷がかかるのであちこち痛くなりますが、それでも投げ続けると力の抜きどころが分かってくる。肘、肩は消耗品ですし、時代遅れのやり方かもしれないですけど、今の投手は『違和感』という言葉ですぐにブレーキをかける。それでは投げるスタミナがつかないし、体が強くならない。佐々木朗の場合はコンディションが分からないので何とも言えませんけどね」

ゴネ得は許されない

 気がかりなのは、周囲の視線が厳しくなっていることだ。昨オフにポスティング・システムでメジャー挑戦を希望していることが報じられ、春季キャンプ直前の1月末に契約を更改した。佐々木朗と球団が水面下でどのような交渉をしたのかは明らかになっていないため詳細は分からないが、他球団の編成担当は語気を強める。

「このタイミングでメジャーを希望しているとしたらあり得ないですよ。彼はロッテに恩返ししたと言える成績を残していない。FAと違い、ポスティング・システムは球団の容認を得られて初めて実現できるものです。“ゴネ得”が許されたら日本のプロ野球で悪しき前例となり、他の投手も要求してくる可能性がある。育ててくれたロッテに感謝の念を抱いているのなら、少なくとも3年は先発で活躍して、エースと呼ばれる実績を築いてから挑戦するべきです」

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