中日・立浪和義監督
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 球団創設以来初となる2年連続最下位に沈んでいる中日。今年は開幕直後に引き分けを挟んで6連勝を記録するなど順調なスタートを切り、ファンからの期待の声も大きかったが、5月以降は成績を落とし、交流戦終了時点でヤクルトと同率の最下位に沈んでいる。ちなみに昨シーズンも交流戦終了時点での順位は同じくヤクルトと並んでの最下位であり、そういう意味では今年も苦しいシーズンとなっていることは間違いない。

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 しかし上位チームとのゲーム差を見てみると昨年は1位阪神と14.5ゲーム差、3位巨人とも9ゲーム差と大差をつけられていたが、今年は首位広島と6.5ゲーム差、2位タイの阪神、巨人とはわずか3.5ゲーム差であり、まだまだ優勝、Aクラス争いに加わる余地は残されているように見える。

 では、残りのシーズンで上位に食い込んでいくためには何が必要になってくるのだろうか。まず投手でキーマンとなるのが大野雄大ではないだろうか。ここまでの先発投手陣の成績を見てみると小笠原慎之介柳裕也、涌井秀章の3人がローテーションを守っており、来日2年目のメヒア、開幕から出遅れていた高橋宏斗まではある程度計算できる顔ぶれが揃っている。ただ、涌井は年齢的なことを考えると夏場に疲れが出てくることが考えられ、メヒアも未知数な部分が多い。

 そうなると経験豊富な大野が先発に戻ってくることが極めて重要であると考えられる。今シーズンの大野は4月3日の巨人戦で2シーズンぶりの勝利をマーク。しかし20日の阪神戦では2回途中6失点で降板となり、それ以降は二軍での調整が続いている。二軍での投球もまだ波があるが、6月12日の広島戦では6回を被安打2、無失点と好投を見せたのはプラス要因だ。故障明けだけに無理をさせるのは禁物だが、遅くとも後半戦のスタートからは一軍の先発に戻ってきてもらいたいところだ。

 投手陣でもうひとつポイントとなりそうなのがブルペンの底上げだ。抑えのマルティネスがリーグトップの20セーブ、中継ぎの清水達也、松山晋也、斎藤綱記が揃って10ホールド以上をマークするなどリリーフ陣は上位球団と比べても決して見劣りしない布陣となっている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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