だが、この4人はセ・リーグ登板試合数のランキングではトップ10に名を連ねており、フル回転が続いている状況なのだ。昨シーズン見事な活躍を見せていた勝野昌慶が大きく成績を落としていることからも分かるように、中継ぎ投手が調子を維持することはやはり簡単ではない。シーズン序盤の起用法を見ても、僅差で負けている試合や、逆に点差を広げてリードしている展開でも勝ちパターンのリリーフを惜しげもなく投入するシーンが見られた。ルーキーの土生翔太が開幕一軍入りしながら、4月19日まで登板がなかったこともそのことをよく物語っている、一部の投手に頼る運用は中日だけに限ったことではないが、夏場以降のことを考えても、配置転換や新たな戦力を抜擢をしながら一軍で使える中継ぎ投手をどう増やしていくかが重要になりそうだ。

 続いて打線だが、今シーズンもチーム得点数(159)はセ・リーグで最下位となっており、得点力不足という状況は大きく変わっていない。しかし、他球団を見ても、首位の広島が既に11度の完封負けを喫しているように、リーグ全体、プロ野球全体として“投高打低”の傾向が強くなっており、そういう意味では中日の弱点がそこまで目立たなくなっていることは事実である。また昨年ブレイクした細川成也が完全に一本立ちし、来日2年目のカリステもここへ来て成長を見せているのはプラス要因だ。また巨人から加入した中田翔も打率は2割台前半と低いものの打点を稼ぐ力は健在で、度々勝負強さを見せている。

 そうなると重要になってくるのはチャンスを作るリードオフマンである。そこでキーマンとなるのはやはり岡林勇希ではないだろうか。今年の岡林はシーズン前に右肩を痛めた影響で出遅れ、ここまで打率.188と不振が続いている。ただ持っている能力を考えると、このままの数字で終わるような選手ではない。いかに岡林が早く昨年までの姿に戻れるかによって、チームの得点力は大きく変わってくるだろう。

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