今季から中日でプレーする中島宏之(写真提供・中日ドラゴンズ)
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 毎シーズン新星が現れるプロ野球の世界。しかし長く一線で活躍できる選手は決して多くはない。先日NPBが発表した調査結果によると、昨年オフに引退および戦力外となった153人(外国人選手ならびに同一球団内で育成選手再契約締結選手を除く)の平均年齢は27.1歳、平均在籍年数は6.8年となっている。プロ野球で10年、20年とキャリアを積める選手がいかに貴重な存在かがよく分かるだろう。

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 そしてそんな世界で今年、満年齢が40歳以上となった選手は10人となっている。果たしてその中から来年も生き残る選手はどの程度いるのだろうか。改めて今シーズの成績を並べてみると以下のようになっている(年齢は2024年の満年齢。成績は6月12日終了時点)。

・石川雅規(ヤクルト・44歳):4試合1勝1敗0セーブ0ホールド 防御率2.00
・和田毅(ソフトバンク・43歳):4試合2勝1敗0セーブ0ホールド 防御率3.48
・青木宣親(ヤクルト・42歳):40試合14安打0本塁打7打点1盗塁 打率.197
・中島宏之(中日・42歳):9試合0安打0本塁打1打点0盗塁 打率.000
・比嘉幹貴(オリックス・42歳):4試合0勝0敗0セーブ0ホールド 防御率0.00
・中村剛也(西武・41歳):46試合32安打7本塁打14打点1盗塁 打率.199
・栗山巧(西武・41歳):16試合10安打0本塁打3打点0盗塁 打率.227
・平野佳寿(オリックス・40歳):12試合1勝1敗7セーブ1ホールド 防御率4.22
・岸孝之(楽天・40歳):10試合2勝6敗0セーブ0ホールド 防御率3.79
・長野久義(巨人・40歳):26試合12安打0本塁打6打点0盗塁 打率.235

 まず今年も存在感を示しているのが石川と和田の2人だ。石川は6月2日の楽天戦で5回無失点の好投でプロ野球新記録となるルーキーから23年連続勝利を達成。ちなみに試合は5回で雨天コールドゲームとなったこともあって完封も成立。44歳4カ月での完封勝利は山本昌(元・中日)の持つ45歳0か月に次ぐ年長記録である。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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今季はベテランの奮起が目立つ?