今季2年連続のリーグ制覇、日本一を狙う阪神は“黄金時代”の到来も期待されているが、そのチームの象徴的な存在になりそうなのが近本光司だ。
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今シーズン、阪神はいまいち調子に乗り切れないが、近本の攻守での貢献が、チームが踏ん張れている大きな要因となっている。6月1日のロッテ戦(ZOZOマリン)ではプロ6年目にして初めて4番打者に起用されるなど、チームで数少ない“頼れる打者”となっている。
「チーム状態が最悪の緊急事態だけに(4番打者としての起用は)驚きはなかった。本来は近本や中野拓夢が出塁したのをクリーンアップが返すのが得点パターン。打線が機能していないことの裏返しだけに早く元の形に戻って欲しいとは思う」(阪神OB)
名門・阪神の第109代目の4番誕生は苦しいチーム事情からだった。昨年は全試合4番に座った大山悠輔が絶不調で佐藤輝明とノイジーは二軍落ち、“若き大砲候補”の森下翔太も安定感に欠けている。そういった状況の中で今季も安定的なパフォーマンスを見せている近本を抜擢した形だ。6月6日の楽天戦(甲子園)でも4番を務め、SNSでは打順について大きな議論の的となった。
「試合出場を続けている選手の中で、近本だけがそこそこの打撃をしている。数字だけ見れば飛び抜けたものはなく、4番の起用は苦肉の策だろう」(在京球団スコアラー)
近本は6月6日終了時点で全56試合に出場し、打率.274(219打数60安打)、8盗塁、出塁率.365。連覇を狙うチームのリードオフマンとして大満足というものではないが、それでもしっかり結果を残している。本塁打も森下と並ぶチームトップタイ6本を放つなど、長打力も発揮しているのは凄いところだ。
「(身長171cm、体重69kgと)体は大きくないが長打力もあって足も速い。飛ばないと言われるボールの影響で多くの打者が苦しむ中でよくやっている」(阪神OB)
2018年のドラフト1位での入団以降、近本は常に安定した結果を残してきた。1年目からレギュラーを掴み打率.271(586打数159安打)、9本塁打、42打点を記録し、リーグトップの36盗塁をマークすると、翌年もコロナ禍で難しい状況だったが、2年目のジンクスを感じさせることなく全試合に出場し、2年連続の盗塁王となった。