それ以降も3年目の2021年目には最多安打のタイトルを獲得。盗塁王にはプロ5シーズンで4度、最多得点も2度記録するなど、“外れ外れの1位”としての入団となったが、阪神・野手陣の中心プレイヤーとして堂々たる数字を残している。
また、近本は守備での貢献も素晴らしい。2021年からは3年連続でゴールデングラブ賞を受賞。今では攻撃面での活躍も含め、リーグトップの外野手と呼んでもいいような存在だ。
「走攻守の全てが良い選手だが、最近は特にディフェンス面での成長が素晴らしい。打球判断が良くなり守備範囲が格段に広くなった。また送球へのスムーズな動きも身につけた。球史に名を刻む名外野手になれる可能性もある」(在京球団スコアラー)
プロ入り当初は玄人好みの職人的な選手になるようにも思えたが、今では攻守ともに立派な“中心選手”。そして、試合でのパフォーマンスはもちろんだが、グラウンド外での影響力もチームにとって大きくなってきているという。
「今シーズンは苦しい状況だが必死にチームを引っ張ろうしている。練習中から今まで以上に声を出す姿も見かける。文字通りのチームリーダー、頼れる存在になってくれている」(阪神関係者)
「夢を与えられるような選手になりたい」
近本は自身が入団時に語ったような存在になりつつある。今では少年野球などで近本の打撃の構えを真似て打つ子供の姿も見かけるようになった。今年も毎年恒例となった「ゴールデンウイークこどもまつり」の2日目となる甲子園でのヤクルト戦で逆転3ランを放ち、ヒーローに。お立ち台では子供からの質問にやさしく答える姿も話題となった。
「MLBドジャースの大谷翔平やヤクルトの村上宗隆は(体格的なことを含め)手の届かない存在にも感じるでしょう。そんな中で、小さな体で結果を残す近本に憧れる子供が増えるのは自然なことかもしれない。プレーで周囲を惹きつけ、手本にできる選手なのだろう」(阪神関係者)