【京都府立大学 農学食科学部】農学生命科学科、栄養科学科、和食文化科学科からなる。同大学は今春、組織改編して理系学部を1学部から3学部に増やした(写真:京都府立大学提供)

和食に特化した学科

 京都府立大学が今年開いた農学食科学部には、和食に特化した珍しい学科がある。昨年度まで文学部の「和食文化学科」だったが、今年から学部が変わり「和食文化“科学”科」になって、文系要素を残しつつ理系の要素を深めた。同学科の中村考志教授は言う。

「例えば伝統的な食材や調味料のおいしさや、健康にいい成分はないかなどを食文化の歴史や芸術、世界比較をはじめ持続可能な生態系や経営の視点も含めながら学びます」

 キャンパス内の畑で京野菜を育て、収穫する授業が人気だ。伝統農法や品種について、身をもって学ぶことができる。

「京野菜が健康にいいことも少しずつわかり始めています。ただ、伝統野菜であるがゆえに持つ問題をクリアするための基礎研究も必要です。多角的視点を身につけて基礎研究も深く学んでもらうことで、ゆくゆくは新たな価値を作りだせる有用な人材となって活躍してくれると思っています」(中村教授)

 既存の学問の枠にとらわれない。学部長の桑波田(くわはた)雅士教授は言う。

「大学での学びによって、広い視点を持ち、考える力を養うことが重要だと思います」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2024年6月3日号

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