有名人の結婚は、人気商売だけに世間の空気との巧妙な駆け引きが必要だ。起死回生や軌道修正のチャンスでもあり、甘いだけではないシビアな側面もある。AERA 2024年5月27日号より。
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「大谷翔平結婚」の一報が流れたのは2月29日(日本時間)。ビッグカップル誕生に世間は沸いた。「CAや女子アナとは結婚してほしくない」といった声もあり、アスリート同士の結婚に世間はなぜか安堵の気持ちを持った。このように有名人やセレブにとって、結婚とはある意味一大ビジネスチャンスでもあり、ブランディングの絶好の機会でもある。
芸能ライターのエリザベス松本さんは「イメージが重要な仕事柄、芸能人にとって結婚は起死回生や軌道修正のチャンス」と言う。例えば、元「モーニング娘。」の辻希美さんだ。
「19歳で結婚を発表した辻ちゃんはママゴト婚と激しくバッシングされていましたが、めげずにアメブロを更新。今やエッセイ集や料理本を出版し、憧れのママ、アメブロの女王という確固たる地位を築いています。今はSNSでもっと容易に『新たな自分』を発信できる。キワモノキャラだったとしても、安定、安心、好感度大のキャラとしての道が開ける可能性があります」(エリザベス松本さん)
大谷翔平選手の結婚に関しては「婚前契約」についても話題になった。真偽はさておき「婚前契約」というあまり聞きなれない言葉に世間はざわついた。
「婚前契約」の相談増
「契約社会のアメリカでも、一般人は普通プレナップ(婚前契約書)は交わしません。やはりセレブのもの」と苦笑するのは、米ニューヨーク在住のジャーナリスト、シェリーめぐみさん。
「アメリカでは結婚後に築いた資産は2分割するルール。何ビリオン、何トリリオンといった資産を半分持っていかれるとなるとたまりませんよね。『今は幸せでもこの先どうなるかわからない』という思いが一般人よりも強い分、プレナップが欠かせない。ハリウッドセレブなんて、バツ2、バツ3は珍しくないですから」(シェリーさん)