海外選手獲得への切り札として、2019年オフに編成部へ招聘したのがデニー友利(友利結)氏。中日の国際渉外担当時代には独自のルートを駆使して優良外国人を多数、発掘してきた。
「デニー氏は米国でのプレー経験があり、レッドソックス巡回コーチも務めた。師匠と言える森繁和氏の紹介で中南米ルートにも精通している。現在のNPBではトップクラスの海外人脈を誇る」(元中日担当記者)
中日時代にはジャリエル・ロドリゲス(現ブルージェイズ)獲得に関わるなど、優良外国人発掘に携わってきた。しかしそんなデニー氏をもってしても巨人では苦労しているようだ。
「投手は合格点レベルの投手を獲得し始めているが、以前のマイコラスほどではない。野手はオドーアの例を見てもわかる通り話にならない。国際部には即戦力の大型助っ人獲得を期待しているのですが結果が出ていない」(巨人関係者)
昨年からプレーするグリフィンとメンデスは今季もローテーション入りし、昨シーズン途中加入のバルドナードは球威を武器にブルペンで大事な場所を任されている。現役時代投手としてプレーしたデニー氏の“得意分野”に関しては結果も少しずつ出始めているが、野手に関しては変化の兆しがまだ見られない。
「ネット環境の進化で情報は簡単に手に入る。しかし外国人が結果を出せるどうかは性格的に日本向きかという部分も大きい。昔ながらの現地で足を使っての情報収集も必要となり時間を要する」(巨人担当記者)
メジャーでの実績があり、才能に溢れている選手でも、プライドが邪魔をする場合も多いのが助っ人。いまだに日本野球を下に見ている選手も少なくないため、選手個々の性格や思考を把握するには、実際に接してみなければわからない。
今年のオドーア以外にもヘラルド・パーラ、ジャスティン・スモーク、エリック・テームズらメジャーリーグで実績のあるいわゆる“大物”も獲得してきたが、メジャー経験のなかったウォーカーが活躍したのを考えても米国での成績だけでは判断してはいけないということだろう。