■磐田「B」
2年ぶりのJ1復帰であり、FIFAからの補強禁止処分が解けた2年ぶりの戦力補強。多くの新戦力を迎え入れた中、目立ったところでは元日本代表GK川島永嗣(←元ストラスブール)、左足クロスが魅力の高畑奎汰(←大分)、将来性豊かな右SB西久保駿介(←千葉)の両サイドバック候補に、昨季J2で41試合出場7ゴール9アシストと大活躍したMF平川怜(←熊本)や、J1での経験も豊富な中村駿(←福岡)、Kリーグで優れた実績を残したアタッカーの石田雅俊(←大田)などを加えた。
さらに新外国人として4人のブラジル人を獲得。守備力に長けたボランチのレオ・ゴメス(←ヴィトーリア)、サイドアタッカーとして期待のブルーノ・ジョゼ(←グアラニFC)、21歳で日本での成長も期待できるFWウェベルトン(←ニューイングランド・レボリューション2)に、パワー型の大型FWマテウス・ペイショット(←アトレチコ・ゴイアニエンセ)と多士済々の面々となっている。
退団者としては、遠藤保仁が引退し、チームのアシスト王だった鈴木雄斗が移籍し、期待の長身FW後藤啓介はレンタルで海外へと旅立った。そのマイナス面に加え、新戦力には未知数な部分が多いことは確かだが、フロントとして「やることはやった」と言える働きは評価したい。
■名古屋「D」
長谷川健太体制3年目。昨季6位から、今度こその優勝を狙いたいという中、昨季リーグ戦10得点を挙げて天皇杯制覇にも貢献したFW山岸祐也(←福岡)、“右の矢”としてスピード自慢の中山克広(←清水)を獲得。ユンカーを完全移籍に移行させた上で、36歳の高齢ながら終盤のパワープレー要員として威力を発揮できるFWパトリック(←京都)も加えた。
その他、アンカー役のMF椎橋慧也(←柏)、左足クロスが武器のDF山中亮輔(←C大阪)、韓国人CBハ・チャンレ(←浦項)に、井上詩音(←甲府)、三國ケネディエブス(←福岡)も獲得した。だが、近年の堅守を支えた藤井陽也、中谷進之介のCBコンビに、左サイドMFとしてチームに活力を与えていた森下龍矢のレギュラー3人が退団した影響は非常に大きく、国内復帰から本領発揮が期待された前田直輝の退団、若手有望株の貴田遼河のレンタル移籍もあった。
今オフの戦力収支を考えると、前線はプラスになったが、中盤から後ろはマイナス。特に最終ラインは不安が残り、現在29歳のハ・チャンレが日本に順応できないようならば、一気に苦しくなる。チームバランスは間違いなく昨季の方が良かった。