「Z世代は自分自身の体験として、『+α』の価値を強く求めています。弊社のプリントシール機でも『盛れるのは当たり前』で、撮影時にどんな体験ができるか、撮影後にどんな思い出になるかという付加価値が重視されていると感じています」
同事業を担当する社員の多くは20代で、やはりZ世代だ。疋田さんが彼女らにも話を聞いたところ、10代との違いは「友チョコの減少」と「自分チョコの増加」だった。
「高校では、学校のお昼休みに友チョコでパーティーをする子も多いですが、大学生になるとあまりやらなくなるようです。それでも恋人には手作りのお菓子をあげるという人が多数派でした。さらに社会人になって経済的な余裕ができると、百貨店などで自分のための高級チョコを買うという声が多くありました」
コンビニの位置づけは?
年齢を問わず手作りと百貨店の二極化が見られるなかで、お菓子の購入場所としてほぼ挙がらなかったのがコンビニだ。過去には安価な義理チョコの入手場所としても活躍したほか、近年ではアパレルブランドや高級メーカーとのコラボも行い、多様な製品を展開しているが――。
「彼女たちも日常的にコンビニを活用していますし、自分が食べるお菓子などはよく買っているようです。『コンビニにも行くけれど、家族には手作りするのでスーパーにも行く』という回答もありました。手作りの過程や付加価値を重視する『体験型』のバレンタインデーでは、自分が求めるものに応じて、意識的に購入場所を選んでいるのだと思います」