時代とともに変わり続ける2月14日の「バレンタインデー。」朝日新聞の紙面に初めて「友チョコ」という言葉が登場したのは2003年だ。対象を異性や恋人に限らない楽しみ方は、約20年のうちにすっかり定番となった。2010年ごろには「逆バレンタイン」として男性から女性に告白する例も生まれ、2020年ごろからは「推し活」として楽しむ人も増加。反対に衰退傾向にあるのが「義理チョコ」だ。コロナ禍なども重なり、現在はこの文化を否定的に見る人も増えている。
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逆バレンタインは絶滅、8割が「友達に」
こうした「日本的バレンタインデー」を、コスパやSDGsとともに育った現代の若者はどう捉えているのだろうか。プリントシール機やカラーコンタクトなど若者向けの製品を展開するフリューの広報担当・疋田裕貴さんに話を聞いた。同社では「ガールズ総合研究所」も運営し、高校生を中心とした若い女性への調査を年間200回以上行っている(2022年度実績)。
「Z世代の女の子たちにとって、バレンタインデーは文化祭やハロウィーンにも近い気軽なイベントになっているようです。好きな人に告白するという恋愛的要素はかなり薄れており、イベント自体をみんなで楽しもうとする傾向が強いと感じています」
とくに「逆バレンタイン」については、
「若い人たちはその概念自体を知らない。彼らの世代では絶滅したと言ってもいいかもしれません」
と言う。
だが、男性から女性にプレゼントすること自体は増えているようだ。友チョコを男女で交換する例もあれば、本命の男の子と互いに手作りしたお菓子を贈り合う女の子もいる。部活動の仲間など、男の子同士でお菓子を配ることもある。性別が限定されなくなったことで、「逆」という言い回しがなくなったのでは――と疋田さんは推測する。
プレゼントの目的は圧倒的に「友チョコ」が多く8割、次点で「家族に」が続く。「本命にあげる」は3割にとどまったが、調査に参加した女の子の9割が「お菓子を手作りする」と答えた。残りの約1割は「百貨店で買う予定」と答えたが、その理由にも恋愛的な要素は絡まない。