バレンタインデーの商品展開について、コンビニ最大手であるセブン-イレブンの担当者は、

「学校でSDGsについて学ぶ機会が多いZ世代や未来世代には、産地支援も行うプライベートブランドのチョコレートなど、弊社のサステイナブルな商品の提案も続けていきたいと考えています。従来のギフト需要としてだけでなく、幅広い層にチョコレートを楽しんでもらえるようチョコフェアを実施するなどしています」

 などとしている。同社でとくに人気があるのはチルドのチョコレートスイーツだとのことで、近所で気軽に楽しみたい層と、「みんなで一緒に」楽しみたいZ世代とのニーズのすみ分けもうかがえた。

「義理」も「義務」ではなくポジティブに

 Z世代がお菓子を渡す相手にはバイト先の仲間や学校の先輩も含まれており、その理由は「日頃の感謝を伝えたいから」。そこには「義理チョコ」の意味合いが生じてくるのではないかと思うが、あくまで義務ではなくポジティブに捉えているのが彼らの特徴だ。若い女性社員が買い出しに行かされる昭和・平成的バレンタインデーを経験した世代には不評な社内の義理チョコも、Z世代はフラットに楽しんでいる。

「若い社員同士が、男女問わずお菓子の交換をする姿も目にします。私も過去の義務的な義理チョコの文化は嫌でしたが、今はそんな空気もないようです。Z世代のバレンタインデーは、性別にかかわらずみんなが平等に、平和に楽しむものになっているのだと思います」(疋田さん)

(鈴木絢子)

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