いずれも一筋縄ではいかない、難しい問題です。しかし、老後をやめることで、これらの不安は解消、少なくとも軽減することが可能だと私は考えています。
(1)健康の不安
みなさんは「健康寿命」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。「健康上の問題によって日常生活が制限されずに、自立して暮らせる期間」のことです。
わかりやすくいえば、「介護なしで元気に暮らせる年齢」といえるでしょう。
厚生労働省が発表した2019年の最新データでは、男性の健康寿命は72.68歳、女性の健康寿命は75.38歳。平均寿命と健康寿命の差は9~12年、平均余命と比べると13~15年もの差があることがわかります。
この差が、「健康上の問題で日常生活に制限があり、自立困難な期間」です。思ったより長いと感じませんか? この数字を突きつけられると、多くの人が不安に思うのも理解できます。
この差を縮めるにはどうすればよいでしょうか。もっとも重要なのが、「老後をやめる」というマインドです。
私はこれまで、自律神経をキーワードに、健康寿命を延ばすためのさまざまなアドバイスをしてきました。食事から、運動、睡眠、リラクゼーションまで、分野は多岐にわたります。