しかしあるとき、マインドを変えなければ、私のアドバイスはすべて無意味であることに気づきました。
たとえば、「スクワットを毎日やりましょう」とおすすめしても、老後マインドにおちいっている人は、「いまさら何をやっても意味がない」とか、「どうせもうすぐ死ぬのだから」とか、「もう年だからそんなことをするのは無理」とか、言いわけをつくって取り組もうとしません。
逆に、いつまでも若い人は一生チャレンジだと思っていますから、「面白そうだからやってみよう」「今日は5回できた、明日は6回にチャレンジだ」と、みずからすすんで取り組みます。
そういう人は日中、アクティブに動いているので夜はよく眠れますし、食事もしっかりとることができる。毎日、若者のようにワクワクして生きているので、自律神経も整っています。
そういう生活をしていても、病気になったり、介護が必要になったりすることはあるでしょう。しかし少なくとも、「病気になったらどうしよう」とか、「このままでは介護が必要になる」といった不安におびえることはなくなるのです。
(2)お金の不安
2019年、金融庁が発表した「老後の30年間で約2000万円が必要」という試算が、世間で論議を巻き起こしました。いわゆる「老後2000万円問題」と呼ばれるものです。
2000万円という数字は、なかなかインパクトがあります。「そんなお金なんて持っていない」と不安をおぼえた人は多いでしょう。