日本ハムの新本拠地・エスコンフィールド北海道
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 昨シーズン開場した日本ハムの新本拠地エスコンフィールド北海道(以下エスコン)は、日本球界に新たな流れを生み出すのだろうか……。

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 メジャーリーグでは頻繁に行われる新球場建設を国内でも望む声は多いが、どの球団にとっても実現までのハードルは高そうだ。

 パ・リーグ2年連続の最下位となった日本ハムだが、“エスコン効果”で営業利益は大幅アップを果たした。プレオープンの3月12日から9月30日までの203日間で来場者303万人を記録。札幌ドームを本拠地としていたコロナ禍前の2019年に9億5000万円だった営業利益が26億円となる見込みだという。

 日本ハムの新庄剛志監督もパーソル パ・リーグTVの公式YouTube「パ・リーグ FANS MEETUP 2024『監督編』」に出演した際、「エスコンに結構、稼がせてもらったので」とコメント。「(球団が)珍しく球団が助っ人をたくさん獲ってくれたんだよね」と新球場の利益がチームの補強に繋がったことを明かしている。

「エスコンの成功はスポーツ界を超えたビジネスの手本とまで言われる。広島・マツダスタジアムの例でもわかるが、新しいスポーツ施設をうまく活用すれば収益を大幅に上げられる。NPB他球団でも同様の流れが加速するようにも思えるが、そう簡単にもいかなそうだ」(スポーツマーケティング関連会社関係者)

 メジャーリーグでは30年程度の周期で球場の建て替えを行うケースが多い。また長い歴史を持つ欧州サッカーでも新規スタジアム建設を行い移転するケースも出始めた。「最新式で快適な箱はお客さんを呼び、お金を生み出せる」という発想だ。

「エスコンや広島・マツダスタジアムを除きNPBでは以前からの球場を改修して使い続けることが多い。甲子園楽天モバイルパーク宮城、ベルーナドーム、横浜スタジアムも改修され生まれ変わった。新神宮球場の建設は決まっているが、その他は目立った進展がない」(在京テレビ局スポーツ担当)

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