能登半島地震で避難所となった旧小中学校の施設内で休む被災者たち(1月5日)。画像の一部を加工しています

女性避難者は「冗談じゃない!」

 さらには、ナプキンの用意があったにもかかわらず、女性たちが困り果てていた避難所もあった。

 物資を配るメンバーが男性で、ナプキンをもらいに行くこと自体が大きなハードルになっていたのだ。しかも、勇気を振り絞ってもらいに行ったところ、「1人2個ずつね」と言われたという。

「その男性は『全員に配れなくなったら不公平だ』と思ったのでしょうが、2個なんてもらったところで、どうしようもない。ナプキンは、生理中もしくは生理が近い女性に配ればいいことも、生理になると何枚くらいのナプキンが必要なのかも知らなかったのでしょうね。避難所を運営する中心メンバーに女性が一人でもいれば、こんなやり方にはならないはずだし、そもそも男性が女性の体のことを何も知らないというのは問題だと思います」(及川教授)

 その避難所では、女性避難者たちが「冗談じゃない!」と声を上げた結果、トイレにナプキンを置いて、必要な人が適宜使えるスタイルになったという。

 避難所での女性たちの苦痛を少しでも減らすためには、日頃からトイレットペーパーと同様にナプキンもストックしておくことが欠かせない。だが及川教授によると、生理の問題以外にも、「更衣室がなくて着替えに苦労する」「トイレが男女共用なので、男性の目が気になって行きづらい」など、軽視できない「女性ならではの悩み」があるという。

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