鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・小山幸佑)
鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・小山幸佑)

 施設の受付スタッフである自分に、「自分語りや相談の体をとって長話をしてくる客への対応が苦痛」と苦慮する22歳女性。「規定以上のサービスを得ようとするのはズルではないか」と憤る相談者に、鴻上尚史がズバリ提案した、3つの対処法とは?

【相談209】受付スタッフをしている私に度を超えた長話をするお客様に悩んでいます(22歳 女性 黄色)

 いつもご相談、とても興味深く読ませていただいています。

 私はアルバイトで受付スタッフをしている者ですが、お客様の対応に悩むことがありご助言いただきたく思います。 それはお客様の中に度を超えた長話をしてくる方がいることです。

 自分語りだったり相談の体を取っていたり知識をひけらかすものだったり、内容はいろいろですが、とにかくサービスにおよそ関係のないことを延々と話されます。私はほとんどのいいお客様については、話をすることを楽しみにすら思っています。しかしながら、一部のお客様の振る舞いはスタッフをカウンセリング要員にしていると感じるものであり、非常に不愉快です。正直、夜のお店にでも行ってやってくれないものかと思います。いくら施設にお金を払っているといっても、規定以上のサービスを得ようとするのはズルではないでしょうか?

 他の人が同じことを気にしている様子はないので、私が若い女だからということも原因だと思います。実際、1人でいるときにされることが多いので。上司に話しても上手くやりなさい・慣れなさいとしか言われず、どうしたらよいものかわかりません。あと何年か歳をとって若い女でなくなれば悩むことはなくなるんだと思いますが、今できる身の振り方を教えてください。

【鴻上さんの答え】
 黄色さん。大変ですね。「いくら施設にお金を払っているといっても」と書かれていますが、どんな職場なんでしょうか。

 テーマパークとかスーパー銭湯とかですかね。

 黄色さんが書かれるように、えんえんと話しかけられるのは、「若い女だから」ということは大きな理由でしょうね。「1人でいるときにされることが多い」のですから、黄色さんをとにかく話し相手にしたいんですね。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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