「私はほとんどのいいお客様については、話をすることを楽しみにすら思っています」と書く黄色さんは、優しくて、素敵な人なのでしょう。
迷惑な人は、そういう「受け入れてくれそうな人」を素早く見抜き、押し寄せますからね。
たまに接客業で、完全に心を閉じて言葉を発する人に会ったりします。そういう時、僕は「どんな目にあったんだろう。ここまでガードを強くするということは、大変なことがあったんだろうなあ」と勝手に心配します。
さて、こういう迷惑な人に対する対処法ですよね。
例えば、以下のようなものはどうでしょうか。
一つ目は、「申し訳ありませんが、お一人様の案内(応対)は5分以内と社内規定で決まっています」と告げる方法です。「緊急の場合は除きますが」なんて言いながら、「お一人様、5分以内です」と書いたプレートを見せるのです。
会社では作ってくれないでしょうから、黄色さんが自分で作成しないといけませんね。
とにかく「一人5分以内」ということをオフィシャルな雰囲気で伝えるのです。
「自分語り」や「相談の体を取っただけ」や「知識をひけらかすもの」は、すべて緊急の場合ではないと判断して、会社の規定として断るという方法です。
二つ目は、「電話がかかってきたふりをする」です。業務用の電話がそこにあれば一番いいのですが、なければ、携帯を出して「はい。はい。あ、ちょっと待ってください」と告げて、迷惑な相手に「すみません。会社の連絡が入ったので、これで終わらせてください。少し長引きますから」と告げます。それでも、帰りそうにない場合は、電話に向かって「今、こちら、取り込んでおりまして、すぐにきていただけませんか?」と言います。やや大きめの声で、ですね。
三つ目は、冷たい声で「で、ご用件はなんですか?」と繰り返す。途中で「あ、この人は迷惑な人なんだ。ただ、話したいだけなんだ」と分かった時に、態度を急変させるのです。ニコニコとあたたかい雰囲気から、さっと冷たい声になる。怒るんじゃないですよ。そうじゃなくて、「話しても楽しくない」と相手に思わせる方法です。