ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。29回目のテーマは「マツコ・デラックスとの年越し行事」について。
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昨年は、長らくお世話になった「週刊朝日」が休刊となり、引き続きこのAERA dot.で書かせて頂く運びとなりました。今年もひとつ御愛顧のほどよろしくお願いいたします。
それはそうと、誠にもってとんでもない年明けです。まずは北陸の震災被害に遭われた方たちへ、心からのお見舞いを申し上げます。続けざまに起きた羽田の飛行機事故も、正月気分を完全に消沈させる大変ショッキングなものでした。
今年は三が日の仕事がなかったため、年末から家に籠っていたのですが、同じく都内の自宅から一歩も出ずに過ごすマツコ・デラックスと、ずっとテレビやYouTubeを観ながら電話をしていました。毎年の恒例行事です。
そこへ来て、なぜか昔から私たちは、地震などの天災が起きると、どちらからともなく電話をかける習慣があります。生活境遇が似ているというのもありますが、なんやかんやで互いの不安を払拭しているのかもしれません。
そんなわけで、この年末年始は、12月30日の深夜辺りから1月3日ぐらいまで、食事と睡眠を除くほとんどの時間を電話していた気がします。中森明菜さん復帰の話に始まり、2023年に亡くなった仲間を偲んでいたと思いきや、私がめっきり疎いK-POPやAdoや藤井風に話題は移り、やがて見逃していたマライア・キャリーのクリスマスパフォーマンスをYouTubeで確認し、なぜか最後は「アンチコメントに号泣しながら配信をする素人女性」の動画を観て爆笑し、疲れた頃にはもう夜明け。
そこからさらに、「NHK紅白歌合戦」のラインアップをチェック。分かり易いところでは「三山ひろしのけん玉」と「水森かおりのドミノ」の行く末を案じつつ、やはり今回の紅白における最大の懸案は、「ジャニーズ不出場」ではなく、「氷川きよしの不在」に尽きるのではないかという結論に。