※写真はイメージです(Getty Images)

 なかなか寝つけない、眠りが浅くて途中で起きてしまう──。そんな睡眠の悩みを抱えている人もいるだろう。健康的な生活には「よい眠り」も大切な要素だ。快眠するために、どのようなことに気をつければいいのか。アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏の新著『ハーバードが教える 最高の長寿食』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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 睡眠については、科学の進歩によりさまざまなことがわかってきました。体の発育や修復を担う成長ホルモンは睡眠中にしか分泌されないということが知られていますが、もう一つ、睡眠中に脳細胞の隙間がわずかに拡張し、隙間が広がったところに脳脊髄液が流れ込み、起きている間には処理することができなかった老廃物を洗い流していることも明らかになりました。

 つまり、睡眠とは脳のクリーニングタイムであり、質の高い睡眠が十分にとれないと、脳の老廃物がたまってしまうのです。健康的な生活はまず「よい眠り」からと言っても過言ではありません。しかし、現実には「寝つきが悪い」「眠りが浅くて途中で目が覚めてしまう」といった睡眠の悩みを抱えている人が多く、睡眠の質も年齢とともに低下すると言われています。

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満尾正

満尾正

満尾 正(みつお・ただし) 満尾クリニック院長・医学博士。日本キレーション協会代表。米国先端医療学会理事。日本抗加齢医学会評議員。1957年、横浜生まれ。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを赤坂に開設、2005年、広尾に移転、現在に至る。主な著書に『世界の最新医学が証明した長生きする食事』『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す 最強の食事術』(小学館)、『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA)など多数。

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睡眠の質向上には「メラトニン」が重要