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 なかなか寝つけない、眠りが浅くて途中で起きてしまう──。そんな睡眠の悩みを抱えている人もいるだろう。健康的な生活には「よい眠り」も大切な要素だ。快眠するために、どのようなことに気をつければいいのか。アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏の新著『ハーバードが教える 最高の長寿食』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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 睡眠については、科学の進歩によりさまざまなことがわかってきました。体の発育や修復を担う成長ホルモンは睡眠中にしか分泌されないということが知られていますが、もう一つ、睡眠中に脳細胞の隙間がわずかに拡張し、隙間が広がったところに脳脊髄液が流れ込み、起きている間には処理することができなかった老廃物を洗い流していることも明らかになりました。

 つまり、睡眠とは脳のクリーニングタイムであり、質の高い睡眠が十分にとれないと、脳の老廃物がたまってしまうのです。健康的な生活はまず「よい眠り」からと言っても過言ではありません。しかし、現実には「寝つきが悪い」「眠りが浅くて途中で目が覚めてしまう」といった睡眠の悩みを抱えている人が多く、睡眠の質も年齢とともに低下すると言われています。

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