中学受験を考えるとき、誰もがぶつかる子どもとの関係のモヤモヤ。そんな悩みに、4人の子を東大理Ⅲに導いた“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと、受験指導のプロ“きょうこ先生”こと安浪京子さんがズバリお答えするスペシャル対談です。子育て情報誌「AERA with Kids 2025年夏号」(朝日新聞出版)から紹介します。
【マンガ】中学受験「全落ち」した子はかわいそう? 子ども同士の会話とは(全35枚)【お悩み➀】将来、中学受験を考える小1の息子に主体性を身につけさせたい
――将来、中学受験を考えています。息子は真面目がゆえ、毎日の宿題など、親から言われたことはきちんとやりますが、常に声かけしないと動かなくなっているのが悩みです。そろそろ主体性を身につけてほしいのですが。(小1男子母)
安浪京子先生(以下敬称略):ここ数年「自走」という言葉がはやっていて、その言葉にとらわれる親御さんも多いのですが、小学生のうちは「自走」はかなりハードルが高いです。中学受験の勉強をしている高学年でもそうなんですから、小1なんてまだまだです。そして息子さん、「親から言われたことはやるけれど声かけしないと動かない」とのことですが、これは単に勉強だけの話ではないでしょうか。自分がやりたいことは自分から動いてやっていると思いますが、親からするとそれは親が求めるものではないから、見えてこないだけのような気がします。
佐藤亮子さん(以下敬称略):小学1年生なんて親が声かけをしないとやらないのは当たり前ですから、ちゃんと親がついてやらせればいいと思います。私は子どもが小1、小2ぐらいのときは勉強がすんだら遊んでいいよではなく、遊びに疲れたら勉強しようねって言っていました。このぐらいの年齢は遊びの間に勉強を入れるぐらいがちょうどいいんです。それに、勉強したら遊ばせてあげるとか言うと、勉強が苦痛なものに感じてしまいます。でもたっぷり遊んだ後にちょっとだけ座って勉強しようか、みたいにしたら、勉強も楽しくできます。
【お悩み②】共働きです。子ども一人で勉強する方法を知りたい
――共働きでかつ在宅勤務ができません。今、子どもは親がいないと学習への取り組みが雑になっています。今後夏休みなど日中に親がいない時間が多くなるので心配です。どうやったら子ども一人でもきちんとやってくれるでしょうか。(小5女子母)
安浪:結論からいうと、子ども一人ではやらないです。ですから一人の時間をなるべく作らないようにするしかないです。家にいるとグダグダになってしまいますから塾の自習室に行かせたり、図書館でやらせたり、あるいは誰か第三者に来てもらうとか。一人でやらせる時は、進捗に関してはあまり期待しないほうがいいです。終わったものをどこまでやったか電話やLINEで報告してね、と約束したところでうその申告しかしない、と思っておいてください。
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