翌17年も6月23日の楽天戦で通算100ホールドを達成し、自身初のオールスター出場も実現した谷元だったが、直後の7月にトレードで中日へ。日本ハムで36試合、中日で18試合の計54試合に登板したものの、中日移籍後は0勝1敗、防御率6.00と結果を出せなかったことから、オフの契約更改では年俸8500万円(2年契約)のダウン提示を受けた。
すでに取得している国内FA権を行使して、古巣・日本ハムや他球団でプレーすれば、翌年も1億円プレーヤーだった可能性も強いが、球団側の「ぜひドラゴンズで引退してほしい」の言葉が「心に響いた」谷元は残留を決め、現役最終年の今季まで中日で投げつづけた。
入団テストを経て、全指名選手68人中66番目のドラフト7位で日本ハムに入団。ここから不断の努力でトップクラスに上り詰めたという意味では、“日本一価値のある1億円プレーヤー”と呼べるかもしれない。(文・久保田龍雄)
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。