「年俸1億円は一流プロ野球選手の証」といわれる。今季も山本由伸(オリックス)の6億5000万円を筆頭に、年俸1億円以上が87人。いずれもチームの中心選手だが、過去には“非レギュラー”ながら、年俸1億円の夢を叶えた名脇役もいる(金額はいずれも推定)。
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ユーティリティープレーヤーとしての貢献度が認められ、レギュラーではないのにプロ14年目で1億円の大台に到達したのが、ソフトバンク・明石健志だ。
2017年、明石は103試合に出場。他の選手との併用ながら、一塁、二塁、三塁、外野を守り、290打数81安打1本塁打23打点、打率.279の成績で、チームの2年ぶりVと日本一に貢献した。
シーズン中にFA権を取得した明石は、「14年やって愛着もあるし、僕自身、強いチーム、レベルの高い人の中でやりたかったし、日本一を狙えるチームで試合に出るのが、成長、刺激になる」と権利を行使せずに残留。オフの契約更改では、レギュラークラスに匹敵する働きを球団側に高く評価され、前年の年俸5500万円から1億円の3年総額3億円へと大出世を遂げた。
晴れて大台に到達した明石は「レギュラーではないのに、すごく評価してもらった。いろんなポジションをやって、野球の幅が広がったし、成長できた。そういう選手でも、(他球団の選手や)ウチの後輩とかにも、頑張れば、レギュラーじゃなくても、というのはあるかな」と語り、地道にコツコツ努力することの大切さを教えてくれた。
明石と同じ17年オフ、ユーティリティープレーヤーがもう一人、1億円プレーヤーの仲間入りをはたした。阪神からDeNAにFA移籍した大和だ。
14年に中堅手としてゴールデン・グラブ賞を受賞し、二塁手、遊撃手としても抜群の守備を見せた大和は、13、14年と2年連続規定打席に到達。15年以降は、チーム事情から出番が減ったものの、内野の全ポジションと外野を守れるスーパーサブとして活躍を続ける。スイッチヒッターに転向した17年も100試合に出場し、232打数65安打1本塁打16打点の打率.280と、打撃面でもまずまずの成績を残した。