社会人出身の4人の中で、特に期待が大きいのが2位の森田駿哉(Honda鈴鹿)と5位の又木鉄平(日本生命)の左投手2人で、年齢的なことを考えても1年目からが勝負となる。将来を考えると疑問が残る部分も大きい指名だが、来年の戦力という意味では確実な上積みとなったことは間違いないだろう。
セ・リーグでもう1球団動きが目立つのが中日だ。中島宏之(前・巨人)、山本泰寛(前・阪神)、上林誠知(前・ソフトバンク)、板山祐太郎(前・阪神)と他球団を自由契約になった4人の選手を獲得(板山は育成契約)。中日は今年セ・リーグで最も代打の打率が低かっただけに、経験豊富で勝負強い中島には代打の切り札としての期待がかかる。また山本は若手の多い二遊間を中心に内野のバックアップ、上林は外野の一角に加われば野手陣の層は厚くなるだろう。
加えて自身の意思で自由契約となった中田翔(前・巨人)を獲得。今年は怪我の影響もあって92試合の出場にとどまったものの、15本塁打を放つなどまだまだ長打力は健在だ。中島、中田は来季で35歳以上の大ベテランと言える年齢であり、山本、上林もここ数年は目立った成績を残せていないだけに知名度ほどのプラスになるかは微妙なところではあるが、得点力不足を何とか解消しようという意図は感じられる。
一方のパ・リーグは主力が退団、または去就が未定の球団が目立つが、そんな中でも上手く戦力を整備している印象を受けるのがオリックスだ。まずフリーエージェント(FA)で広島から西川龍馬を獲得できたことが大きなプラスだ。オリックスの外野陣は育成ルーキーの茶野篤政が開幕スタメンで出場し、また内野手登録の中川圭太、野口智哉、さらに捕手の森友哉が守るなど流動的な状況になっている。そこに12球団でもトップクラスの打撃技術を誇る西川が加わることで、確実な戦力アップが見込めるだろう。
また投手もエースの山本由伸がメジャーに挑戦し、先発左腕の山崎福也がFAで日本ハムに移籍したのは大きな痛手だが、トレードで日本ハムから吉田輝星を獲得。今年は低迷していたが、ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだけに新天地でブレイクする可能性も十分に秘めている。