「あなた自身も母親の乳房を吸ったのでしょう。恥ずかしくないのですか?」
傷つけられたまま牢獄に入れられたアガタのところへ、夜中に使徒ペトロの霊が現れて彼女の傷を癒すと、乳房も元通りになりました。クィンティアヌスはアガタが奇跡で完治したことに動揺し、自身の不安を覆い隠すように狂気を暴走させます。
「焼けた石炭の上に陶器の破片を敷きつめ、その上に、この女を全裸で転がせ!」
処刑人たちが命令を実行した瞬間、大地震が発生して、町は倒壊し、クィンティアヌスの腹心ふたりが押しつぶされて死にました。アガタは拷問を受けながら祈り続け、殉教しました。日本にもアガタさんという名前は存在しますが、世界的に有名な推理小説作家アガサ・クリスティーは「キリストの聖女アガタ」という意味の名前です。