今オフにエンゼルスからFAとなった大谷翔平

 今オフにフリーエージェント(FA)となった大谷翔平(エンゼルス)の去就が注目されている。資金力が豊富なドジャース、ジャイアンツ、レンジャーズ、メッツなどが移籍先の候補となっているが、2度目のMVPを獲得した二刀流がどこのチームを選ぶのかが現地でも今オフ最大の関心事となっている。

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 これまでメジャー移籍以来、6シーズンにわたってプレーしたエンゼルス残留の可能性も残されているが、「勝てるチーム」でのプレーを望む大谷が再契約を結ぶ確率は限りなく低いと見られている。そして、仮に大谷が他チームに移籍となれば、エンゼルスは非常に“悲惨な状況”を迎えるだろう。

 大谷が加入した2018年以降の成績を見ても、ア・リーグ西地区(5チーム)で4位が5度、3位が1度のみと低迷は明らか。さらに、大谷が去ることで今のチーム力が落ちるのはもちろんだが、メジャーリーグの公式サイト『MLB.com』が発表するファームの有望株ランキング(8月時点)でも30チーム中28位と非常に低い。未来を担うプレイヤーが他のチームに比べて少ないことは、さらなる“暗黒時代”への突入を感じる大きな理由の一つだ。

 また、現時点で来シーズンもエンゼルスでプレーするであろう選手たちの顔ぶれを見ても、他チームに劣ってしまっているのは明白だ。

 ワールドシリーズが終了した時点でのロースターのWAR(選手のチームへの貢献度を総合的に評価した指標、FAの選手は除く)の総計を算出したランキングを『MLB.com』が紹介しているが、エンゼルスは26位と下位に位置している。チームへの評価のコメントも非常に手厳しく、マイク・トラウトやアンソニー・レンドンの復活や、若手の飛躍などエンゼルスがこれから飛躍するための条件を羅列しているが、「地球上で最も素晴らしいプレイヤー(大谷)がいても勝てないのだから、もし彼がいなくなったらどんなチームになるの?」と大谷が抜けたチームがいかに危ういか言及している。

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大谷抜きのエンゼルスが“ヤバい”理由