他にも、シーズン終了のタイミングで米メディア『CBS Sports』のサイトが発表したパワーランキング(各チームの戦力の順位)でも30チーム中26位の評価。チームに対するコメントとして「チームが完全にめちゃくちゃになっている」と揶揄されてしまっている。

 大谷の流失危機に加えて、エンゼルスには他にも懸念するポイントは少なくない。

 数少ないチームの“ビッグネーム”も、2019年のオフに大型契約で加入したレンドン内野手が移籍後は全く戦力になっておらず、今後も活躍する気配は感じられない。残り3年総額1億1500万ドル(約170億円)の契約があるが、不良債権としてチームの足かせになる可能性は非常に高い。

 また、これまで長年にわたって低迷してきたチームの中で孤軍奮闘していたトラウト外野手も、トレードでチームを離れるのでは?との報道が絶えない。近年トラウトは怪我などで衰えは出てきているものの、まだ来季で33歳と老け込む年齢ではない。これまで3度シーズンMVPとなった男が大谷に続いてチームを去るとなれば、完全にチームは“抜け殻状態”となってしまうだろう。

 実際のところ、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは「ずっと一緒にいたい存在だ」とトレードでの放出を否定はしているが、何が起こるの分からないのがメジャーリーグ。大谷が他チームに移籍したタイミングで球団の方向性が急遽変わる可能性は十分にあるはずだ。

 仮にトラウトが抜けたとなれば、もはやチームは跡形もなくなり、来季以降は完全なる再建モードになるのは間違いない。集客という面でも今季の観客数は30チーム中13位とそこまで悪くはないが、これも大きく悪化すると考えられる。(観客数は『ESPN』調べ)

 当然、大谷やトラウトが抜けた状況をエンゼルスファンも懸念している。米国の掲示板サイト『Reddit』では「ドジャースが大谷とトラウトを両獲り」するかもしれないというテーマのスレッドが立てられているが、ここでは「これは最悪の悪夢になる」「もしそうなったらドジャースのファンになるよ」「エンゼルスのユニフォームを7~10年はしまっておく時が来たようだ」「野球を見る理由は大谷とトラウトだったので、もし2人が移籍となればファンを辞めるよ」といったネガティブなものが目立った。

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エンゼルスが勝てるチームに生まれ変わるには?