「日本は復活できる」
──政治が変わることは重要だと思いますが、特に今の若者は政治に期待していない人が少なくありません。
それは、国民の方を向いてくれる政治家がいないからです。私自身、12年前の最初の市長選は僅差での勝利でしたが、4年前に再出馬した際、30歳代の私への得票率は9割でした。これまで投票に行かなかった人が続々と私に投票しました。また、今年10月に行われた埼玉県所沢市の市長選では、私が応援した候補者が当選しましたが、全体の投票率は38.8%で、前回を7ポイント近く上回りました。年代別では30代が突出し、30~34歳では前回を9.55ポイント上回る29.13%になりました。特に女性は、10.71ポイントも跳ね上がり32%でした。所沢市民、特に子育て世代が目覚めたのです。
──所沢では、新市長が就任するとすぐ、保護者から批判が出ていた、第2子のため育休を取得すると上の子が強制的に保育園を退園させられる「育休退園」が廃止となりました。
小中学校の給食費の無償化も始まります。市民が目覚めればトップが変わり、トップが変われば一瞬で街が変わり、生活がよくなり、子どもが泣きやむ社会をつくることができます。これは、どの地域でも同じです。
──失われた30年から脱却できますか。
日本は復活できると思っています。そのためには、行動することが大切です。私たちが政治から目を離さず、市民の方を向かなければ勝てない選挙にする。そして、市民のための政治をする人を選ぶことです。身近な地方選挙が変わっていけば、国政選挙も必ず変わってきます。その気になれば、立候補することだってできます。あなたが動けば、社会は変わります。
(構成/編集部・野村昌二)
※AERA 2023年11月27日号