大宮:稽古は土日休みとかじゃなくて、毎日あるんですか。
須山:決まった休みはないです。
大宮:週3回の部活動から、毎日になって、きつくなかったですか。
須山:最初はかなりきつかったですね。あと東大では、僕より重い人はあんまりいなかったんですけど、ここには僕より重い人しかいないので、体の負担とかも全然違って。首とか手首とか関節に負担がかかりました。
大宮:プロの生活には慣れました?
須山:1年かけて、ある程度は慣れてきました。というのも、3月は大阪、7月名古屋、11月に九州と地方場所があって、場所ごとに生活リズムとかちょっと変わってくるんです。部屋の生活には慣れてきたんですけど、最初の名古屋場所では、暑いし、慣れるのが大変でした。
大宮:成績はどうでした?
須山:5勝2敗で、まずまずの。
大宮:すごい、勝ち越し!
須山:まあ、当時序ノ口だったんで。
大宮:須山さん、目標を立てたら達成する力がありますね。だって、東大だって3度受験して達成。
須山:今は幕下昇進を目指してます。最初に決めたのが、3年で幕下に上がれなかったら、もうやめようと。
大宮:えー?
須山:だからあと1年半では上がりたいと思ってますね。このペースでいけば、いけるんじゃないかなっていう気はしてますね。
大宮:来年の今ごろには幕下ですね。
須山:そうなれるように頑張ります。
大宮エリー(おおみや・えりー)/1975年、大阪府出身。99年、東京大学薬学部卒業。脚本家、演出家などを経て画家として活躍。瀬戸内国際芸術祭(岡山県・犬島)で「光と内省のフラワーベンチ」を展示。第80回ベネチア国際映画祭XR部門に、監督・脚本を務めたVR映画「周波数」がノミネートされた
須山(すやま)/1997年、埼玉県出身。慶應義塾大学を中退して、2018年に東京大学文科Ⅲ類に入学。大学5年目の22年4月、新弟子検査を受け、5月に合格した。23年3月、東大文学部哲学科卒業。大相撲史上初の東大出身力士。木瀬部屋所属。西三段目三十九枚目
※AERA 2023年11月20日号