大宮エリーさんと須山さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
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 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。力士の須山さんが東大入学前に慶應ボーイだった話を聞きました。

*  *  *

大宮:なんで東大行ったんですか。

須山:高校2年生までは遊んでたんですけど、3年になって、さすがにちょっと勉強するかと思ってしてみたら、意外とできて。「じゃあ東大に行くか」って目指して、3度目で合格しました。

大宮:高3で目覚めて、いきなり東大目指すってめちゃくちゃですよね。

須山:そうですね(笑)。「野球部が甲子園を目指す」みたいなノリだったと思います。

大宮:予備校には行ってたんですか。

須山:現役のときは予備校に行かず、一人で勉強して行ってやるぜと思って落ちまして。2回目は、予備校に行ったけど落ちました。で、そのとき、慶應(義塾大学)に受かったので、慶應に一時進学したんですよね。

大宮:あ、進学したんだ。

須山:東大入試の得点を見たら、0.02点差で落ちてたんですよ。悔しかったんで、仮面浪人して、12月くらいから勉強して受かりました(笑)。

大宮:つまり、慶應ボーイになったんですね?

須山:腰掛けで1年、楽しく慶應ボーイをしました。単位も取ってたんですけど、もう一回東大を受けたら受かっちゃったんですよね。

大宮:すごいですね。慶應時代はサークルとかは?

須山:バンドサークルとインカレオールラウンドサークルに入り、楽しくやってました(笑)。ギターは、本当にちょっとやっただけです。

大宮:でも、慶應でバンドやってたのに、東大で相撲部とは、ガラッと変わりましたね。

須山:慶應でしょうもない大学生生活を1年間楽しんだんで、東大では何か一つしっかりやってみたいなと。

大宮:なるほど。今、力士になってどれくらい?

須山:1年半ぐらい。2年目です。

大宮:どんな1日なんですか。

須山:朝7時に起きて、8時から稽古して、11時ぐらいにご飯かな。ご飯を食べたら昼寝して、起きてちょっとトレーニングして、夕方4時に全体の掃除があって、また飯食って寝るという流れです。

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