ネットでもこの姿勢を支持する声は多く見受けられ、過剰な抗議への批判は強くある。

「相手に実名を聞け」

「留守番電話に誘導して勝手にしゃべらせればいい」

「時間を制限して、時間が来たら自動的に切る」

「こんな言葉を発したら切ってもいいとルール化すればいい」

 などのアドバイスも多くあった。

突っぱねられない事情とは

 それでも、現場の職員は、そう簡単には突っぱねられない事情があるようだ。

 「電話を切ったとしても、その人は今度は役場の違う部署に電話をかけてくるだけ。切るタイミングを間違えると火に油を注ぐ結果になってしまい、さらに電話が切りづらくなるケースもあります」

 クレーム対応の実情をそう話すのは、岐阜県の大垣市役所に勤務していた自治労岐阜県本部の子安英俊・中央執行委員長だ。

 子安さんも現場時代、「耳から汗が噴き出しそうなほどのクレーム電話」を受けた経験がある。特に電話の相手は匿名のため、暴力的になりやすいという。

「『お前じゃだめだ、上を出せ』と上司を呼ぶようにすごまれて、断ったところ、次は秘書課に電話をかけてきて『市長を出せ!』とヒートアップしてしまうのです」

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知事の発言に現場は