前出の札幌市の担当者も、

「切る時間やルールを機械的に決めたい思いはありますが、さまざまな内容の電話を受けますから、何分まで、などとそう簡単には線を引けません」

 と話す。

  だが、クレーム対応やカスハラに疲弊して職場を辞めていったり、心を病んだりする職員が少なくないこと。また、通常業務に支障が出るということは、別の市民への対応があと回しになってしまっているということ。取材した3者とも、こうした事実を知ってほしいと強く訴えた。

  クレーマー天国を許してはならないが、「中の人」が置かれている状況も、ひとつの現実である。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

著者プロフィールを見る
國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

國府田英之の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【7/16(火)・17(水)開催 Amazonプライムデー】先行セール商品一部公開中!年に一度の大型セールで何が安くなる?