けっして忘れてはならないのは、このレベルまで食料自給率を失った日本がいったん戦火に巻き込まれるようなことにでもなれば、日本人の餓死者は半年で数十万人を下らないおそれがあるということだ。

 日本の年間コメ在庫は平均200万トン。年間消費量の30%にも満たない。たちまちコメの在庫は底をつき、家庭内保存食料も1週間以内には空になり、半年で少なく見積もっても数十万人、場合によっては数百万人が餓死したにしても多すぎることはない。

 特に大都市圏の食料備蓄は不安である。農水省の試算によると東京の食料自給率(カロリーベース)はゼロ、大阪1%、神奈川2%、埼玉10%、愛知・京都11%、人口はこの6都府県で38%を占める(2020年)。公的備蓄も太鼓判を押せるほどではない。たとえば東京都江東区は人口54万人だが、区役所が住民のために災害用として準備している主食類は五目ごはん17万食・白米15万食・ドライカレー1.5万食・おかゆ1.6万食などである。これでも区予算やスペースなどの制約を最大限拡大させてのことであろう。

 災難は忘れたころにやってくるものだということをもう一度、心しておくべきではないか。

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アメリカの対日農業戦略