〈この国の首相はアホかホラ吹きか〉
「実行なくして成長なし。この国会は、成長戦略の実行が問われる国会です」──。きのう(15日)の所信表明演説で、安倍首相は「成長戦略実行国会」を高らかに宣言してみせた。
安倍は「これまでも同じような『成長戦略』はたくさんありました。違いは『実行』が伴うかどうか。もはや作文には意味はありません」とまで言ったが、本当に「実行」できるかどうかは怪しいものだ。
成長戦略なんて、いつも口先だけのアドバルーンだった。絵に描いたモチのような話をいかに具体化するか。それを雇用の安定や暮らしの向上にどう結び付けるのか。それこそが問われているのに、安倍は具体的な施策を何ひとつ示さなかったからだ。(中略)
国民をけむに巻くために安倍が持ち出したのは、“古き良き日本”へのノスタルジーと、お涙頂戴の美談の数々だ。
明治時代の教育家・中村正直の「意志さえあれば、必ずや道はひらける」との一説や、ホンダ創業者の本田宗一郎の「チャレンジ精神」を奨励する言葉を借りて、「明治の日本人にできて、今の私たちにできないはずがない」「再び起業・創業の精神に満ちあふれた国を取り戻す」と叫んでいたが、逆に「根拠はそれだけ?」と“ドン引き”した国民も多かったのではないか。精神論で経済が良くなれば苦労はしない。