遊撃から三塁に回った名選手で、43歳までプレーした宮本慎也(元ヤクルト)は良きお手本になる。遊撃で6度、三塁で4度のゴールデングラブ賞を獲得。三塁部門で4年連続受賞はセリーグ最長記録だ。坂本は遊撃でゴールデングラブ賞を5度受賞している。三塁でも名手として光り輝けるか。衰えを見せていない打撃でも通算2321安打を積み上げている。40歳までレギュラーとして活躍すれば、通算3000安打の大記録が見えてくる。

 今季3度目の本塁打王を獲得した岡本は21、22年に三塁で2年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなど守備能力が高いことで知られる。今季はチーム事情で一塁、三塁、左翼と3つのポジションを守った。一塁は守備能力でいえば中田翔がトップクラスだが、今オフにFA権を行使するか注目されており去就が不透明になっている。「不動の4番」として来季は一塁がメインポジションになるだろう。一塁はレギュラーが固定できないチームが多い中、ゴールデングラブ賞獲得で最大のライバルとなるのは阪神大山悠輔だ。打球に対する反応速度が早く、一塁に守備位置を固定された今季は好守で幾度もチームを救った。ハンドリングが安定しており、ショートバウンドの処理が巧みだ。大山が阪神の4番として攻守で大きく貢献したように、巨人も主将の岡本が活躍しなければV奪回は望めない。来年は三冠王獲得の期待が掛かる。

岡本の最大のライバルとなるのは阪神の大山悠輔

 二塁の吉川はゴールデングラブ賞を受賞したことがないのが不思議な選手だ。俊足を生かした守備範囲は広く、球際に強い。課題とされていた送球も安定するようになった。タイトル奪取へ、大きな牙城としてそびえたつのが菊池だ。20年に二塁手で史上初のシーズン守備率10割(無失策)を達成し、セリーグ記録の守備機会連続無失策503をマーク。侍ジャパンでも高い守備能力を発揮し、海外メディアに「魔法使い」と称賛されたことも。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ