一方で、5月に「G7広島サミット」が控えていたことから、政権運営としては“安全運転”が続き、5月の政権支持率は46%にまで回復した。

 角谷さんはこう語る。

岸田首相の支持率が上がるときは、選挙やサミットがあり余計なことを何もやらないときです。反対にそうしたイベントが終わると、キャッチーだけど中身のない政策をぶち上げて、ガクッと支持率が落ちる。また、閣内や党内の不祥事が多く、支持率を下げる要因が毎月のように起こっています」

 岸田政権の炎上、不祥事はサミット後もとどまることはなかった。

 サミット後の5月下旬、息子・翔太郎氏が首相公邸で忘年会を開き、記念撮影などをしていたことが発覚。岸田首相は息子をかばう態度も見せたが、批判の声を抑えきれず、翔太郎氏は更迭された。

 6月には、マイナンバーをめぐり個人情報が漏洩していた問題などが続々と発覚したことを受けて、「総点検本部」が設置された。この問題を巡っては河野太郎デジタル担当相は当初「マイナンバーカードの信頼性に影響するものではない」などと強弁していたが、デジタル庁から行政指導されることになった。

 7月には木原誠二官房副長官が妻の元夫の不審死をめぐり、刑事事件の捜査に介入した疑惑を週刊文春が報道。8月には秋本真利外務政務官が風力発電会社から賄賂を受け取った疑惑で外務政務官を辞任、自民党も離党した。

「マイナンバーカードの信頼性に影響するものではありません」などと答えていた河野デジタル相
木原誠二官房副長官
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