内閣改造後、記者会見する岸田文雄首相

 岸田政権の発足から4日で2年となった。一時期は内閣支持率が59%(朝日新聞世論調査)まで上がったこともあったが、閣僚などの不祥事が続いた上に、重要政策を強引に推し進めたことなどから支持率が下落。現在も低い支持率にとどまっている。政治ジャーナリストの角谷浩一さんはこの2年について「良くても100点中30点」と落第評価だ。改めて岸田政権の2年間を振り返ると、岸田文雄首相の“本性”が浮き彫りになってくる。

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「政権として力強さを感じることはないが、低空飛行でしぶとい印象です」

 政治ジャーナリストの角谷浩一さんは岸田政権の2年をこう振り返る。

 安倍政権、菅政権と続いた“強権政治”とは違い、一見、岸田首相は穏健派に映る。だが、その実、防衛増税も含めて政策決定は乱暴で、民意を顧みないことも少なくない。一体、岸田政権とはいかなるものなのか。政権支持率と主な出来事を突き合わせながら、振り返ってみたい(肩書はすべて当時のもの)。

 岸田政権は2021年10月、菅義偉首相から引き継ぐかたちで発足した。政権スタートの支持率は45%(朝日新聞世論調査、以下同)だった。この数字は01年以降の新政権発足時で過去最低の支持率だった。

 岸田首相は総裁選でも、自身の長所として「聞く力」を掲げていた。それを発揮していた(と思われた)当初は、国民の支持率が上がる局面もあった。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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